Nobody knows-2-
掴むことの叶わぬ霧のようなそれは、今考えれば予兆だったのかもしれない。 週に一度顔を合わせることができれば良い方なのかもしれない、いつもと変わらない日常生活。 久しぶりやね、とあげられる片手、交わされるのは気の置けない言 […]
掴むことの叶わぬ霧のようなそれは、今考えれば予兆だったのかもしれない。 週に一度顔を合わせることができれば良い方なのかもしれない、いつもと変わらない日常生活。 久しぶりやね、とあげられる片手、交わされるのは気の置けない言 […]
野生の動物は、死期が近いことを悟ると自ら姿を消すのだと聞いたことがある。 それを潔いと呼ぶべきか、生き物はどこまでいっても独りだと本能で知っている彼等を哀れと呼ぶべきか。 ざくりと足がつく毎に […]
しなやかな体躯をくっと伸ばし、周囲の事に気づく風もなく、陽光を楽しむように伸びをする。 キャラメル色の透き通った眼をくるりと回し、一度ふるりと体を震わせると、あふりと小さな欠伸を一つ落として、再び自分の世界に入り込む。 […]
この世はとても平和だ。 確かに今の内閣支持率は最低ラインだし、普段食べているものも何が混じっているか分かりはしないご時世だ。自分達が所属している事務所にしても、結婚間近と言われながらも、相手の女優が連続ドラマに出演してい […]
ふわり、とどんよりと重たい梅雨空に、まっすぐと立ち上る紫煙が視界を過る。それをたどるように視線を動かせば、そこにあるのはいつもとかわらぬのほほんとした雰囲気をたたえた薄い背が一つ。 ったくさあ、 とぼりりと髪を掻き混ぜる […]
ほわり、頬がほとりとぬくくなる。ああ、日向にいるようだ。 そのぬくもりが愛しくて、無意識に伸ばした手を包み込む柔らかな熱。 ゆるゆるとした微睡みは心地よく、すりりとすり寄せた体に、伝わる優しさは遥か彼方の春の色。 月に2 […]
「お願いがあるんだけどさ」 それはそんな言葉から始まった。 まだ、辺りが夜の帳に包まれているかのような蒼い光の中、高速道路を照らす白い光が思い出したように行き交う曖昧な時刻。 黒縁の分厚い眼鏡の奥で、まだ、開けきらぬ光彩 […]
いつだって仕事というものは大変だ。 たとえ、それがベテランと呼ばれる域に達しようとも同じことだ。 自分は一所懸命しているつもりであっても、数字がなんぼのこの世界。過程が一向に伴わない結果の現実に、周囲の視線が冷たく刺さる […]
入院したと聞いた。 人づてでさえなく、ふと偶然つけたラジオの中で。 あいつの友人というパーソナリティが、話の途中にふと漏らした事実。 同じ場所に立ち、同じものを見ているつもりでいたのに、気が付けばあいつは傍にいなくて、今 […]
60歳になっても、80歳になっても、TOKIOを続けよう それが俺たちの合い言葉。 俺たちはずっとTOKIOで、ずっと一緒に走り続けて行く。 それは夢と曖昧な形よりも、現実に近い未来。 でも 時折、思うんだ。 もし、この […]